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失敗しないバー開業の準備・資金・資格を経験者が解説!
バーの開業を考えているものの、未経験で何が必要かわからないという悩みはありませんか?
バーは利益率が高く稼ぎやすいので人気の業態の一つでもあります。
まずは小さなお店でも起業して年収を増やしていきたいものです。
この記事では
- 必要な資金
- 開業前の準備
- 集客のコツ
について経験者が手順も含め解説します。
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バーの開業資金はいくら必要?
テナントの賃料や内装工事によっても変わってきますが、おおよそ500~1000万円の間が多いようです。
内訳や運転資金についても解説していきます。
開業に必要な費用の内訳
バー開業に必要な費用の内訳は以下の通りです。
内訳 | 割合 |
---|---|
工事費 | 4~5割 |
物件取得費用 | 3~4割 |
備品、什器 | 1~2割 |
お酒の仕入れ | 1~2割 |
工事費用
バーの開業資金で最も割合が高いのは工事費用です。
ほとんどの物件はそのままの内装ではバーとして使うことはできません。
カウンターや棚、キッチンなどを自分のイメージ通りに工事してもらうので、多くの費用がかかります。
例外としては居抜きで前がバーや飲食店であったという場合は工事費用が安く済むこともあります。
物件取得費用
工事費の次に大きな割合を占めるのは物件取得費用です。
物件を借りるにしても賃料の他に保証料が必要となり、概ね賃料の半年分ほどが必要となります。
例えば賃料20万円のテナントを借りる場合は【20万円+120万円=140万円】ほどかかる計算となります。
備品・什器
バーの開業には冷蔵庫やワインセラーなどの備品やグラス、お皿などの什器も初期費用として見ておく必要があります。
どの程度の備品・什器を揃えるかにもよりますが、グラスをこだわったりすると金額も跳ね上がります。
概ね開業資金の1~2割ぐらいが目安といえるでしょう。
お酒の仕入れ
バーがメインで提供するお酒ですが、仕入れで全体の1~2割ほどかかります。
どのぐらいの値段のお酒を出すかによっても変わりますが、少なくとも100万円ぐらいはかかります。
自分の店のコンセプトがウイスキーであればその辺に売っているものだけではお客様は満足してくれないので、珍しい物、高級な物も取りそろえる必要があります。
カジュアルなバーか料理をメインとしたダイニングバー、あるいはオーセンティックなバーを目指すかでも大きく変わってくる部分なので自分の開業したい店の雰囲気に合わせて仕入れをしましょう。
運転資金は2ヶ月分あると安心
運転資金は売上が仮にゼロだとしても2ヶ月ほど営業していける資金が必要です。
かかる費用としてはテナント賃料、光熱費、食材などの仕入れがあります。
また誰かを雇ったりすればその人件費も上乗せされます。
独立開業の場合、会社から給料は出ませんので、自分の生活費も考慮する必要があります。
店を出す場所にもよりますが、100~200万円ほどあると安心です。
ただし、本当に2ヶ月間売上がゼロであればいくら資金があっても経営を続けていくことは困難といえますので、そうならないようにする準備も怠らないようにしましょう。
バー開業前の準備
バーを開業する前に必要な準備を解説していきます。
準備期間の目安
バーの開業はテナントさえ決まれば後は工事の期間によって開業までの日数が決まり、早ければ1ヶ月半ぐらいで可能です。
この準備期間の間に仕入れや備品・什器の発注も済ませておきましょう。
また誰かを雇う予定であれば求人の募集期間も加える必要があります。
事業計画書
バーを開業するに当たって融資を受ける場合は事業計画書が必要です。
融資ではなく助成金や創業補助金を活用して開業したいという場合にも事業計画書の提出が必須となる場合があります。
また自分の開業計画に無理がないか、開業資金を回収できるのはいつ頃になるのかなどを客観的に知るためにも作成しておくことをおすすめします。
バーの開業における主な借入先は【信用金庫】や【中小企業政策金融公庫】があります。
それぞれから融資を受ける際に必要なものが多少異なるので、しっかりと準備しておきましょう。
バー開業に資格や許認可は必要?
バーの開業に必要な資格と届け出は以下の通りです。
必要な資格 | 必要な届け出 |
---|---|
食品衛生責任者 防災管理者 |
飲食店営業許可 深夜酒類提供飲食店営業営業開始届出 防火管理者選任届出 特定遊興飲食店営業許可(ダーツなどを置く場合) |
食品衛生責任者
食品衛生責任者とは、飲食店が提供する飲食物の衛生を管理するために必要な資格の一つです。
飲食店の経営者は食品衛生法第51条に基づき、必ず一人以上の食品衛生責任者を置く必要があります。
バーの場合は個人で経営することも多いため、オーナー自身が資格を取得するケースが多いでしょう。
食品衛生責任者の資格取得には食品衛生協会が開催する講習の受講が必須です。スケジュールを確認して開業に間に合うように受講してくださいね。
防災管理者
防火管理者は店舗で火災などが発生した際に、被害を最小限に抑えることを目的とした資格です。
店舗の規模が一定以上であれば必ず1人は防火管理者をおかなくてはならないとされています。
防火管理者の資格は試験を受ける必要はなく、1日程度の講習を受講することで取得できます。費用は7,000〜8,000円です。
講習を受講するには事前の申し込みが必要なため、日本防火防災協会のサイトをチェックして開業に間に合うように手続をしましょう。
飲食店営業許可
すべての飲食店の開業には飲食店営業許可が必要です。
飲食店営業許可を取得するためには、開業予定のバーの図面を持って各自治体の保健所に事前相談をしましょう。
図面に問題がなければ営業許可申請書類を作成します。
書類の作成後は保健所の担当者が店舗に立入検査を行います。
最短でも手続きから交付まで半月程度必要なため、事前にスケジュールを組んでおきましょう。
深夜酒類提供飲食店営業営業開始届出
深夜酒類提供飲食店営業営業開始届出とは、酒類を主に提供する飲食店において深夜0時以降まで営業する際に必要となる届け出です。
バーは酒類の提供がメインとなり、0時前に閉めることはほとんどないのでほぼこの届け出が必要です。
届け出は警視庁のサイトから所定の様式をダウンロードして作成して提出します。
あまりにも住宅地に近い場合などは届け出が無効となることもあるのでテナントの選定の際には注意しましょう。
防火管理者選任届出
防火管理者選任届出とは、店舗に必要な防火管理者が誰であるかを明確にするための届け出です。
防災管理者の資格を取った後にはこの届出が必須となります。
届け出は各自治体管轄の消防庁のサイトからダウンロードすることができます。
特定遊興飲食店営業許可
特定遊興飲食店営業許可は酒類の提供だけではなく、ダーツバーやビリヤード、カラオケ、音楽をライブで聴かせるなどの遊興を提供する場合に必要な届け出です。
酒類の提供のみの場合は必要ありません。
許可の取得には店舗が病院や図書館などから一定の距離が保たれていなければなりません。
また、営業する者が刑事罰を受けたことがある場合は一定の年数が経過していることが求められます。
条件によって費用は変わりますが、許可の取得には比較的高額の24000円が必要ですので、前もって準備しておきましょう。
バー開業に必要な設備の導入
バーの開業でテナントを選ぶ際は電気やガスなどのインフラがしっかり通せるか確認しておきましょう。
インフラ
インフラには
- 電気(電灯・動力)
- ガス
- 水道
があり、それぞれの容量が決まっています。
飲食店の種類には「軽飲食」と「重飲食」の2つがあり、バーのほとんどは軽飲食に該当します。
軽飲食の場合は以下の容量を目安にするとよいでしょう。
インフラ種類 | 容量目安 |
---|---|
電気(従量電灯) | 40A |
電気(動力) | 60A |
ガス | 10号 |
水道 | 25mm |
クレジットカード決済端末
現代ではクレジットカード決済端末の導入は必須といえます。
キャッシュレス決済が進んでいることもありますが、バーではお酒が入ることもあり、手持ちの金額以上に飲んでしまうお客様もよくいます。
そのときにカードが使えない場合は後日、支払いに来てもらうか、お金をATMで下ろしてもらわなければならず、お店にとってもお客さんにとっても気分のいいものではありません。
またカードが使えないとせっかくのお客様を逃がしてしまうことにもなるので、手数料はかかりますが、導入しておくことをおすすめします。
インターネット
クレジットカード決済端末を導入するにもインターネットは必要となります。
テナントにインターネットを引くことができるかも事前に確認しておきましょう。
ダーツ・カラオケなど
バーの目的によってはダーツやカラオケ機器の準備も必要となります。
カラオケの場合は導入費用とランニングコストが必要となりますので、開業資金に上乗せしておく必要があります。
カラオケ設備は新品で100~300万円、中古で20万円〜かかります。
開業資金に余裕がない場合はレンタルやリースという手段もありますので、予算に合わせて選びましょう。
集客のポイント
開業したてでお客様を集めるには
- 以前に働いていたお店のお客様に来てもらう
- SNSで集客する
- 看板が出せる立地を選ぶ
- 一等地を避ける
などの方法があります。
以前に働いていたお店のお客様に来てもらう
バーテンダーとして開業前から働いている場合は常連さんやお世話になっているお客様に開業を伝えて、来てもらうという方法もあります。
働いていたお店からすればお客様を持って行かれてしまうことは望ましいことではありませんが、バーはお客様を紹介し合ってなんぼの世界でもあります。
しっかりと働いていた実績があれば快く応援してくれることも多いので、遠慮せずに独立することを常連さんに伝えましょう。
SNSで集客する
現代ではお店の宣伝にSNSは不可欠です。
TwitterやInstagramに新作カクテルや珍しいお酒の入荷の投稿を継続することでフォロワーや認知が増えていきます。
お客様の中にはバーを探すのにTwitterで検索する人もいるので、ハッシュタグにはバーのある地域の名前を忘れずに入れるようにしましょう。
即効性は低いですが、徐々に集客の窓口となっていきますので、継続して投稿しましょう。
看板が出せる立地を選ぶ
テナントによっては路上に看板を置くことができないものもあります。
路面店の立地を借りられればいいですが、2階以上や地下に開業するケースも多くあります。
看板を出せないと通りがかりで見つけてもらうことが困難になってしまうので、看板を出せる立地を選びましょう。
一等地を避ける
一等地への出店は一見有利に思えますが、チェーンやフランチャイズ店などとの競争が激しいというデメリットもあります。
また多くの人が通りがかるので、客層をコントロールすることが難しくなることもあります。
静かでクラシックなバーにしたかったのに、通りがかりの酔客が多く来てしまい雰囲気が作れないということにもなりかねません。
場所は重要な要素ですが、一等地が必ずしも有利になるわけではないということを覚えておきましょう。
バー開業成功のポイント
バー経営を成功させる上で欠かせないポイントを紹介します。
バーテンダーとしての経験
バーを開業する人の中には前職は全く関係のない業界の人もいるかもしれません。
オーナーとして経営に徹し、お店に立つことがない場合は問題ないですが、
もしマスターとしてお店に立つのなら、一度バーテンダーとして働いてみることを強くおすすめします。
バーはカクテルを作ってお酒だけを出せばよいわけではありません。
お酒の知識はもちろんですが、オペレーションや常連同士の相性、トラブルにも対応が必要です。
いきなりの開業は経験不足による客離れにも繋がるので、開業前にどこかの店舗で働いて一連の流れや対応を学んでおきましょう。
コンセプトや強みでの差別化ポイント
儲かるバーを経営するためには他店との差別化ポイントも必要になります。
例えばスコッチの種類を豊富にする、オリジナルメニューやフードを作るなど自分の強みとなるポイントを作りましょう。
普段は馴染みのないシガーを置いてみるのも好きなお客様にはアピールポイントとなります。
お店にどういうお客様に来てもらいたいか、どう楽しんでほしいのかを考えていくとコンセプトを固めるのに役立ちます。
人を好きになれるか
バーテンダーにとってもっとも大切な資質は「人を好きになる」ということです。
バーはお客様が来なければ売上を上げることはできません。
バーでお酒を飲みたいと思う人は基本的にはバーテンダーとの会話を楽しみに来ています。
今日あったよかったことを話したいお客様もいれば、人生の岐路に立たされて困難を迎えているお客様もいます。
そんなお客様にアドバイスをしたり、ひたすらに話を聞くには人のことが好きでなければ勤まりません。
重要なことは目の前の相手に興味を持てるかどうかです。
相手のことを知ろうとする姿勢はお客様にも伝わるので、人と接することが好きであるということはバーテンダーの腕以上に重要なポイントですので、ぜひ意識してみてください。
バーの開業には余裕を持った準備と経験が必要
以上、バーの開業準備と必要なことを解説してきました。
バーの開業には多くのお金がかかりますが、条件によっては1ヶ月半程度でも開業することは可能です。
どんなお店にしたいか、差別化の強みを何にするかなどコンセプトを決めることも重要なので、焦らずにじっくりと進めていきましょう。
素敵なバーの開業にぜひこの記事を役に立ててくださいね。